DVDを2本続けて観ました。
一つ目は、『スティング』(原題:The Sting)という1973年公開の映画。(写真:左)
『明日に向かって撃て!』でもお馴染みのポール・ニューマンと
ロバート・レッドフォードが再び共演した、
まさに「痛快」という言葉がピッタリの作品です。
仲間を殺された主人公フッカー(詐欺師)が、伝説のペテン師・ゴンドーフを誘い、
マフィアのボスに復讐を誓う、というストーリー。
もう、これがとにかく面白い。 最後のシーンなんて特に、
映画史に残る名シーンだと思います。 最近観た映画の中で、一番のヒットでした。
フッカー役のポール・ニューマンが出演した作品、
『大統領の陰謀』のDVDも既にゲットしてあるので、 また次、時間ができたら観よう。
そしてもう一つは、 『トム・ダウド/いとしのレイラをミックスした男』という、
2003年公開の映画。(写真:右)
これも非常に興味深い作品でした。
トム・ダウドという人は、タイトルの通り、 Derek & The Dominos(※注1)が
1970年に発表した名作アルバム、 "Layla"(邦題:いとしのレイラ)の
プロデューサー兼エンジニアです。
(※注1:ギターの神様として知られるエリック・クラプトンが当時結成していたバンド)
当時の英米のロック・ミュージシャン達は、
60年代後半に一大ムーヴメントとなったサイケデリック志向から徐々に脱却し、
もう一度「原点に立ち返ろう!」という動きが高まっていました。
このアルバムは、その当時のロック・シーンにおいて非常に重要なキーワードとなった
「アメリカ南部志向」、「スワンプ・ロック」、「サザン・ロック」等を象徴する、
代表的な作品です。 たまたまこの映画のタイトルには(日本人に分かり易いように)、
『いとしのレイラ』が付いていますが、決してそれだけではなく、
レイ・チャールズやアレサ・フランクリン、ロッド・スチュワート、
オールマン・ブラザーズ・バンド等、
とにかくありとあらゆるジャンルのアーティストを 手掛けた、
伝説的なエンジニアなのです!
ちなみに、タイトルにある「ミックス」とは、 録音された各楽器のバランスを整えたり、
音を加工して色付けをしたり、 迫力を出したりする作業の事です。
とはいえ、エンジニアという職業は、裏方というか、
なかなかスポットの当たらない職業なので、一般の方々にはピンと来ないかもしれません。
しかし僕達ミュージシャンにとっては、自分達の作品を作る・表現する上で、
本当に本当に重要な存在なんです。
エンジニアが変わるだけで、作品の雰囲気もガラッと変わってしまいますので、
まさにミュージシャンとエンジニアは一心同体でなければならないのです。
トム・ダウドという人は、ポピュラー・ミュージック(POPS)が隆盛を極めた
1950〜70年代において、革命的な技法と斬新なアイデアによって、
「レコーディング・エンジニア」という職業を確立した、偉大な人物なんです。
少々専門的な話をしますが、8トラックのマルチ・レコーダーを開発したのは、
なんとトム・ダウドなんです。
それだけでも、音楽界の発展に貢献した度合いはハンパないのに・・・!
この映画も、興味がある人には是非観て欲しいな。
「レコーディングって、こんな感じでやってるんや!」
みたいな発見もあるかもしれません。
♪今日のBGM "白日"/Grapevine